初心者・食わず嫌いのためのプロレス入門 その1 ープロレスは八百長なんかじゃない!ラッシャイ!!
このブログを始めるに至った大きなモチベーションのひとつとして、「プロレスを知らない人にプロレスの面白さを知ってもらいたい!」という思いがあります。僕自身K-1やPride、ボクシングなどの格闘技は昔から好きだったのですが、プロレスに対しては妙な嫌悪感があり一度も見たことがありませんでした。
僕がプロレスを見るきっかけになったのは、母の友人の友人であるプロレス関係者の方から「チケットタダでいいから見にこない?」と誘われたことでした。あのときにぽんと背中を押して頂いたおかげで一気にプロレスの虜になったのです。逆に言うと「プロレスはちょっと…」と思ってる人を振り向かせるにはそのぐらいのきっかけがないといけないのだなと痛感しますね。そういう人にチケットを無料でお譲りすることは(財政的に)僕からはできませんが、代わりに記事を読んでプロレスに少しでも興味を持ってくれれば嬉しいです。
さて、前置きが長くなりました。このブログの「プロレス入門」記事では、プロレスの独特の世界観について「なぜ」を追究しながら解説していくつもりです。
プロレスファン歴は6年目と浅いこと限りなく、昔からのファンには鼻息で飛ばされかねないばかりの勢いですが、ファン歴が浅いからこそ「プロレス界の当たり前」を掘り下げる目があるのではないかと思います。第一回目として、プロレスファンが一番耳にする疑問からお話しましょう。
プロレスは八百長?
よく「プロレスって八百長なんでしょ?」と聞かれます。プロレスファンなら誰もが遭遇する話題です。
まず、偽りなく言っておきましょう。
プロレスの試合のほとんどは、最初から結果が決まっています。
ほとんど、というのは例外もあるということですが、ここでは置いておきましょう。
まず今回は
「プロレスの試合はなぜ結果が決まっているのか?」
ここに焦点を置きたいと思います。順番に掘り下げて行きましょう。
プロレスが育ってきた背景・プロレスが期待されていること
プロレスという興行形態が日本で知られるようになったのは、力道山が日本プロレスを設立した1953年と言われています。戦後間もない当時、力道山が屈強なガイジンレスラーをばったばったと倒していく様子は、敗戦国であった日本の希望として映ったと語り継がれています。
空手チョップで元敵国のレスラーを倒す力道山は、国民のヒーローでした
さて、これは推測ですが、プロレスが当時の日本人に大きな希望を与えたことが、試合前から結果が決まっていることと無関係ではないのではないでしょうか。
つまり、「いつでも観客の期待に応える興行であること」がプロレスの大前提にあるのです。ここが他の格闘技と違うところなのです。
観客は、強くて、かっこ良くて、努力してて、ファンサービスもしてくれて、その上ドラマチックな試合をする選手に勝って欲しいと思うものです。それが見られるのがプロレスです。プロレスはそれを必ず実現します。
それではそもそもプロレスは格闘技なのか?
これはよく総合格闘技やボクシングなどの格闘技ファンが使う煽り文句です。
そもそも結果が決まっている。しかも簡単に避けられる技が綺麗に決まるし、ロープに向かって相手を押すと相手がロープでびよーんってなって返ってくるし、フォークで流血してるし、審判はふっ飛ばされても反則裁定にならないし、かと思えば審判も選手の凶器暴行を見逃すし・・・格闘技だと主張する方がおかしいですよね。
そうです。誤解を承知で言うなら、プロレスは格闘技ではありません。
選手が体を張っていることは間違いありません。危険な技も敢行されるし、ちょっとしたミスが原因で重篤な怪我を負ったり、果ては死に至る事故もいくつかありました。
それでも、結果がわかっているものは、普通はスポーツ(競技)とは呼びません。
それではプロレスは何なのでしょう。
僕は「男の戦い」だと思っています。
プロレスラーが体現したいのは、「男の戦い」です。意地を張り合い、正面からぶつかり合い、身を削り、最後に立っていた方が強いんです!!!!!!!
男の戦いでは、必ずしも相手の技を避けることがカッコいいわけではありません。相手の技を受け止めて、それでもなお立っていたヤツが真に強いんです。食らって、食らわせて、なんど倒れても最後に立っていた方が強いんです。これがプロレスです。
それでは、プロレス興行の評価ポイントは?
さて、結果が決まっている(と連呼すると怒られかねないですが)プロレスでは、普通の格闘技とは見るべきポイントが違います。
まずは、ボクシングの試合を考えてみましょう。どんな試合なら観客は満足しますか?
意識しあってきたライバルが「あいつを倒してチャンピオンになりたい」とアツい気持ちを持って、最高レベルで殴り合い、避け合い、ボロボロになりながら僅差の判定へ(またはギリギリの攻防で壮絶にKO!!)…、そんな試合だったら、感動すること請け合いでしょう。
でも、必ずそんな試合が見られるとは限りません。アクシデントの怪我で試合が途中で終わっちゃうことなんかもありますよね。
でも、プロレスは、いつでも、どこの会場でも、感動する試合が見られるんです!!!!(基本的に)
基本的に、と書きました。つまり、それができる選手とできない選手がいるわけです。
ケツ(結末)が決まっているからと言っても、ケツに至る過程で多いに盛り上げることができないと、試合でお客さんを満足させることはできません。つまり、過程でお客さんを満足させることのできる選手が「すごい選手」なのです。
試合に勝つことを主とする「格闘技」と違って、「男の戦い」であるプロレスは、その過程でお客さんを楽しませる・ドキドキさせることが最大の目的なのです。
今日のまとめ
・プロレスは大体ケツが決まっている
・だからと言って八百長というのは非常に短絡的
・プロレスはお客さんを楽しませることを信条とする「男の戦い」
今日のオススメ試合
人の心を掴んだレスラーの言葉は、心に深く刻み込まれます。
次回にぼちぼち続きます。
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