そいつぁつらいぜ

化学を専攻していた元大学院生が興味のままに語ります。自然科学一般、プロレス(を始めとする格闘技)、国内サッカー、漫画を中心にお話しいたします。

初心者・食わず嫌いのためのプロレス入門 その2 ーとりあえず試合を見ろ!!キャラクターはレスラーの命でごわす!ー

さあ!ひとまず能書きはおいておいて、まず試合を見てみましょう!!

プロレスが標榜する「お客さんを満足させる男の戦い」を見せるために、団体や選手はどのような工夫をしているでしょうか。

 


【プロレス vol.11】 4・7両国 IWGPヘビー級選手権 棚橋弘至 vs オカダ・カ ...

 

2013年4月7日 棚橋弘至 VS オカダ・カズチカ (新日本プロレス

 
新日本プロレスという団体の、現在最高峰の選手のベルトをかけた戦いです。


この動画は試合が始まるまでの2分間を説明します。試合内容は興味があったら適当に見といてください。

「えっ、試合が始まるまで・・・?」

そうです。試合が始まるまでにもお客さんを興奮させるような演出がたくさんあります。これがものすごく大事なんです。

試合を見てみましょうって言ったじゃんっていうのはナシで

 

新日本に金の雨を降らす!!!若手超新星、"レインメーカー"オカダ・カズチカ

先に入場するのは挑戦者、オカダ・カズチカ。25歳にして新日本プロレスの頂点に上り詰めた男です。彼の急激な成長にはコアなプロレスファンも注目しています。

オカダのキャラクターは「ふてぶてしい」の一言に尽きます。「実力がホンモノである」「若くしてトップクラスである」ことを試合で証明してきた彼が、「自分とはレベルが違う」と他の選手をハナから見下してかかるので、そこに敵対関係が産まれます。

オカダは「レインメーカー」(金の雨を降らす男)と呼ばれています。ふてぶてしい、どちらかというと悪役なのに、新日本プロレスという団体への帰属意識を公言しています。「金の雨を降らせる」=「自分の実力の高さを持って、新日本プロレスに集客力を持たせる」と自分で言うわけです。なまじ実力が高いので他の先輩レスラーは鼻持ちなりませんね? みなさんも同じ組織にこういう若手がいたらムカツクことこの上ないと思います。


あらためてオカダの入場シーンを見てみましょう。
オカダの顔が印刷された模造紙幣が降り注ぐ中、金色がちりばめられた衣装で、いかにも堂々と入場してきます。
リングに入って、コーナーによじ登り、堂々と両手を広げます!!いかにも「新日本は俺を中心に回っている」と言いたげなふてぶてしいポーズですね。 職場の後輩が会議でこんな顔して意見していたら殴り倒したくなると思います。

 


オカダ・カズチカ: RAIN MAKER - YouTube

 

愛してまーす!!! 観客に愛され続ける太陽の王者・棚橋弘至

あとから入場するのは、(当時の)チャンピオン、棚橋弘至です。
いかにもチャラそうな顔をしていますが、なかなかどうして、努力家で真面目にファンサービスをしているいい選手ですよ。プロレスオタクには賛否両論だけど

 

入場のときにたくさんのお客さんとハイタッチしていますね。有名選手になってもファンサービスのありかたを変えないところも人気を産む秘訣なのでしょう。しかも明るくて華がありますね。

 

試合前から対立構図を作る


棚橋弘至vsオカダカズチカのPV - YouTube

レインメーカーVS過去の逸材

 

棚橋は会場人気も強く、新日本プロレスの経営が苦しい時から会社は彼に頼ることが多かった。そうして棚橋に注目が行ってしまう状況をよしとしないファンも多く現れるのです。

そこで対抗馬となり得たのがオカダ・カズチカでした。何度もチャンピオンとして台頭してきた選手に対抗させるには、実力がありキャラクターの立った選手が必要ですよね。オカダには両方を兼ね備える資質がありました。

オカダはおよそ2年間、アメリカの団体に武者修行に行っていました。それより前は一若手として、(ある程度の素質は感じさせながらも)先輩にボコボコにされる役割でした。

 

 


NJPW GREATEST MOMENTS GOTO HIROOKI vs ...

武者修行前の 小島よしお 岡田かずちか

 

修行中の情報を会社がほとんど公表しなかったことも、帰国後の彼の扱いを大きく変えるのに好都合だったのでしょう。もちろん2年間で実力がついたことは間違いありません。ここで「ギミック」いわゆるキャラ付けの登場です。

 

わかりやすい「ギミック」ーふてぶてしいけど実力があるクソ若造オカダ

帰国後のオカダは新日本プロレスという組織にとって、大いに刺激となり得ます。 新入社員が海外出張中に死ぬほど実力をつけて戻ってくると先輩も焦りますよね。

しかし、それだけではお客さんにわかりづらい。組織にとっての「刺激」を端的に表現するキャラクターが必要だったのです。「帰国したら妙に強くて派手になっていて、先輩を見下すふてぶてしい若造になっていた」という設定を用意するのです。

こういうキャラ付けはファンの用語では「ギミック」と言われています。正直言って、オカダ本人がクソふてぶてしい人間だとは思えません。すごくいい人に見えます。それでも「レインメーカー」なるギミックを演じていくのは、そうすることで前述のような選手間の対立構図が明確になるからです。


棚橋が好きなファンは、より精一杯棚橋を応援できる。
オカダが好きになった人には、より期待感を高めさせることができる。
棚橋が嫌いな人は、オカダが棚橋を倒してくれることを期待できる。

こういうわかりやすい対立構図をつくることで、ファンの注目や期待を大いに集めることができるのです。

 

 

今日のまとめ

・試合が始まるまでの対立構図の醸成はすさまじく大事である

・「ギミック」を上手に使った演出がファンの期待を駆り立てる

 

 

今日のプロレス格言

1+1で200だ!10倍だぞ!!10倍!!

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こういう不意に産まれる名言もまた、プロレスの楽しさでしょう。